猫を保護したときには、もしかしたらどこかに飼い主がいる可能性も考える必要があります。脱走してしまったのか、元飼い主が捨てたのか、外に出る飼い猫なのか、それとも本当の野良猫なのか、猫が外で暮らすケースはいろいろと考えられます。
もし、探している飼い主がいたら、元のおうちに戻れるように、この記事では、保護した猫の飼い主を探すための具体的な手順をご紹介します。
日本の法律上、たとえ愛玩動物であっても所有者がいる場合には、所有権は飼い主にあることを心に留めておきましょう。
最初にすべきこと
1.首輪・マイクロチップの確認
外で捕獲された猫が、首輪をつけているケースはあまり多くありません。移動中にどこかで取れてしまうか、最初から付けていない可能性があります。
もし、首輪をしている猫であれば、迷子札が付いていないか、首輪本体に飼い主情報が書かれていないか確認してみましょう。
首輪をしていた形跡がない場合には、動物病院でマイクロチップの有無を調べてもらいましょう。
マイクロチップは、長さ8mm・太さ1.4mm程度。細長いお米(タイ米やインディカ米)くらいのサイズです。猫の首の後ろに埋め込まれていて、触っただけだとわかりません。
チップには15桁の番号が記録されています。動物病院などにあるリーダーでスキャンするだけで簡単に読み取れます。もしチップがあれば、獣医師が専用のデータベースから飼い主情報を確認してくれます。
飼い主を探す具体的な方法
マイクロチップが装着がなく、飼い主がわからない場合、猫を保護していることを知らせることを告知する必要があります。
1.地域での告知
どこから手を付けていいかわからないときには、とりあえず保護場所の近くにポスターを貼らせてもらう方法があります。マイクロチップの装着を見てもらった動物病院が近くであれば、迷子猫のポスターを貼ってもらえないか聞いてみましょう。連絡先を記載する必要があるのでセキュリティ面での注意が必要です。
これはちょっと勇気とコストが必要ですが、各家庭にチラシの投函をする方もいます。こちらも不特定多数に連絡先を知らせることになるので、氏名や電話番号の記載には配慮してください。
2.インターネットの活用
チラシはどうしても作って印刷しなければいけませんが、SNS(Twitter、Instagram、Facebook)での情報拡散なら、コスト面での心配がありません。
携帯電話で写真を撮って投稿できるので、時間とコストをかけずに掛けずに最新の情報を告知できるメリットがあります。DMを開放することで情報の受け入れも可能です。
また、獣医師会や迷子猫情報サイトへの掲載もネットで依頼できるので、保護した地域で検索してみるとよいでしょう。
3.公的機関への届出
日本の法律では、飼い猫は財産の一部をして扱われるため、もしあとで飼い主が出てきたときに、所有権に関するトラブルになる可能性もあります。そのため、猫を保護したら(念のため)警察に拾得物として届け出ることが求められます。
警察では元飼い主から遺失届が出ているか確認します。街頭しないときは、保護主が拾得物の書類作成をします。猫は保護主が飼い主があらわれるまで世話をするか、自治体の保護センターへ移送することになります。
また、保護場所を管轄している動物愛護センターへも連絡しておきましょう。もし、飼い主がいてその猫を探して確認をするかもしれないためです。
なお、3ヶ月以内に飼い主が見つからなければ、保護主が猫の所有権を持つことになります。
迷子猫として告知する際の注意点
自分の猫なら真っ白真っ黒チャトラでもほかの猫と判別がつきますが、迷子の猫は他人から見ると違いがなかなかわかりません。そのため、迷子猫として告知する際には、詳細な情報を敵s狂する必要があります。
くれぐれも保護主の心情だけを書くような「迷子のお知らせ」を作らないようにしましょう。
必要な情報
☐ 猫の毛柄
☐ 性別
☐ 大きさ、体格
☐ 模様の詳細
☐ 推定年齢
☐ 大きさ
☐ 特徴的な模様や傷跡
☐ 発見状況
☐ 正確な場所と日時
☐ 周辺状況
☐ 連絡先情報
☐ 性別連絡方法(電話・メール・SNSなど)
写真について
写真を載せないことには、猫の特徴は言葉だけでは伝わりにくいものです。猫の写真を撮影するときには、次の点に注しましょう。
・全体像がわかる写真
・特徴的な模様があればその部分のクローズ写真
・複数の角度からの写真
ケージに入れているとなかなか撮りにくいこともありますが、部屋を明るくして逆光にならないよう注意して撮影しましょう。また、背景に部屋の荷物が映っていると猫が目立たなくなることがあります。背景にも気を付けて撮影するとよいでしょう。
もしSNSを活用する場合は、数日おきに新しい写真を投稿していくようにするとわかりやすいかもしれません。
飼い主があらわれたときの確認方法
迷子猫だと知ると飼い主だとなりすまして猫を奪おうとしたり、嫌がらせをしようと考える人が出てきます。危険な目にあわないためにも、「自称:飼い主さん」からもしっかりと情報を聞き出しましょう。
猫の詳細な特徴について質問
たとえば「尻尾の先の形は?」「猫が食べるときの癖は?」など、迷子の告知をした写真ではわからないような細かい部分を聞いてみます。飼い主であれば実際の猫を触っているので、骨などの違いもわかるはず。
飼育環境や習慣について確認
保護している今の環境と元々暮らしていた所では、違いがあります。猫の緊張もあるために自称飼い主さんが話す内容と実際が違ってくることがあります。しかし、それはあまり大きな問題ではありません。どんな環境で猫はどんな習慣があったか、詳細に言えるかどうかが判断するのです。
猫には個体差があるため、あまりにも一般化した猫のこと(猫は気まぐれなど)を言う場合には本当に猫を飼っていた人なのかちょっと怪しいかもしれません。
家にいたときの写真の提示を依頼
「百聞は一見にしかず」
本当の飼い主さんであれば、何枚かの猫の写真を撮っていることが多いでしょう。おうちにいた時の写真を出してもらいましょう。中には、よく似た猫だけど、保護したコとは違うというケースもあるかもしれません。
もし1枚も写真がないのであれば、同居のご家族からの話も参考にしましょう。
さいごに
猫を保護したあとの飼い主探しは、かなり時間と労力のかかるメンドクサイ作業です。しかし、警察や愛護センターへの届け出は、やっておく必要があります。一連の作業をやっておくことで、正式に自分のうちのコとしてお迎えできるのです。
もちろん、これは保護したケースにもよります。子猫のうちから母猫といるのを見ていたら、飼い主が存在しないことも多いでしょう。
警察に届け出て3ヶ月間は、自分の所有ではない状態になってしまいます。しかし、それが過ぎれば正式に自分の家族として迎えることができます。保護猫のケアと必要な手続きを進める。それが、最終的に猫にとっても良い結果につながってくれるでしょう。