野良猫を保護するのをとまどってしまうことありますよね。
猫が好きな人は、どういうわけか外に出ると野良猫をみつけてしまう人が多いようです。それが子猫でもオトナ猫でも、『保護してあげたい!』と思うこともあるでしょう。
しかし、猫がかわいそうだと準備もせず、むやみ手を出せば猫を怖がらせてしまいます。その結果、必要な準備が後手後手になってしまえばスムーズな保護ができません。
当記事では野良猫の保護の仕方を解説します。しっかり準備をしてから実行してくださいね。
野良猫を安全に捕獲する方法
いざ捕まえようとしても、人間側も猫側も警戒心いっぱい。なかなか簡単にはいかないのが捕獲です。
大抵の猫は捕獲すると暴れます。野良猫保護に慣れていないと、躊躇して逃がしてしまう危険があるのです。
できるだけ効果的な方法で安全に捕獲して保護しましょう。
餌をもらい人慣れしている猫の場合
人馴れの度合いによっては、野良猫でもお膝に乗ってくるような子もいます。慣れていれば抱っこして連れていけそうです。しかし野良猫は少しでも異変を感じれば、バッと飛び出すことが”フツウ”です。お互いの危険回避のためにも必ず拘束できるものを使う必要があります。
飼い猫も病院へ行くときは安全のため洗濯ネットに入れるものです。猫を大きい洗濯ネットに入れてキャリーバックに入れて連れていくのは推奨できます。
慣れていても、確実でないときは捕獲機を使用した方がいいでしょう。猫保護をしている団体や動物病院などで貸し出しをしてくれる場合もあります。
移動するときは、絶対に抱っこしたまま動かないように気を付けましょう。驚いて逃げだす恐れがあります。
慣れていない猫の場合
まったく人慣れしていない猫の捕獲は、時間がかかることは覚悟してください。捕獲機を使うのは、大前提にしてもいいくらいです。
素手やそのままキャリーなどで捕獲するのは、かなり難しいと思ってください。
もし、自分だけでは手に負えない場合には、経験のある人に手伝ってもらいましょう。保護団体やプロに頼むことも視野に入れておきましょう。たとえ費用が発生しても、失敗して猫を逃がしてしまうよりは有益です。
私が慣れていない威嚇猫を保護したときの手順が以下の通りです。
・数日かけて同じ時間におやつを出す
・食べ物を移動させて、すこしずつ部屋の前に誘導
・開けた窓辺に器を置いて、少し首を入れて食べるくらいまで
(食べている間は離れないと逃げると思います)
そして、いざ捕獲決行の日。
・少し食べにくいパテ状のフードを用意(時間稼ぎ用)
・部屋の中央に置いたごはんを威嚇猫が食べるまで待機
・猫が食べている間に長~い棒を使って部屋の外から窓を閉めて
捕獲!
閉じこめた直後は、窓に体当たりして猫も私も大パニックになりました。が、部屋に隔離して放置したら、数時間後には用意したベッドで寝ていたので安心しました。
その部屋には事前に寝床やトイレを用意しておいたので、そのまま猫部屋となりました。
野良猫を保護したら、やるべきこと
野良猫の保護をしたあと、一番あわてやすいのが飼育の準備です。
以前は気にも留めていなかったことも、「うちの子」になると変わります。心配になることが必ず出てきます。
きっと、どの飼い主さんも愛猫を気に掛けることは一生続くと思います。が、まずは保護する前後には、何をするかだけは先に知って準備をしておきましょう。
保管場所の確保
できれば捕獲前に準備しておきたいのは、猫の一時保管場所。
捕獲直後は汚れていたり、ノミがついていることが多いです。そのままいきなり部屋で放してしまうと大変です。いったん、隔離できる必要です。
猫は比較的狭いところでも大丈夫です。適切に温度管理ができやトイレ設置ができる広さは保ちましょう。
できるだけケージを用意しておくと便利です。もしくは、おうちの中の1部屋を猫用に空けてしまう方がよいでしょう。
猫は知らないニオイの家の中では、警戒して身を潜めようとします。
1部屋を準備する場合には、家具の隙間などに入り込む可能性があります。安全を確保するか、段ボールの側面に入口を作って避難場所を作ってあげてください。
病気でない限り、家の中の冬の寒さは野外よりマシだと思います。しかし、夏場に高温になる部屋で隔離するのは命の危険があります。エアコン(クーラー)を嫌う猫が多いのですが、適温になるよう調整しましょう。
病院へ行く
理想的なのは、捕獲直後に病院へ行くことです。
感染症を持っていると他の患畜さんに感染させる危険も考えられます。できるだけ、事前に病院へ連絡しておきましょう。
外の子は元気そうでも、何かしら病気や虫などを持っているものです。一通り検査してもらいましょう。ノミやダニなどの寄生虫がついていたり、お腹に虫がいる場合もあります。生後半年を過ぎていれば、今後の避妊・去勢の相談もしておいた方がよいでしょう。
『捕まえたばかりなので、慣れてから行く』というのはおすすめできません。
慣れてきた直後の病院は、再び怖い思いをしなくてはいけないからです。
元野良猫だとどのみち、何度か通院ことはあると思います。それでも、できるだけ回数は減らした方が猫のためです。
動物病院は自由診療で費用は病院によって異なります。初診料と検査+駆虫薬などで1万〜15,000円くらいが目安。現金であれば多めに持っていくと安心です。他の支払い方法(カード支払いなど)などができるかも病院によって違います。事前に確認しておくとよいでしょう。
↓参考ページ
飼い主がいないか探す
野良猫だと思って捕獲したけど、ほかの家の猫でしたという話は実はあります。
いわゆる迷子猫です。
猫と仲良くなってから、返す返さないでトラブルになってしまうのは避けたいですね。
猫を家に入れて落ち着かせたら、他に飼い主がいないかを確認しておきましょう。
・警察、愛護センター、保健所などに猫を保護している届け出をする
・動物病院でマイクロチップの確認をしてもらう
・各所へ迷子を保護しているポスターを貼らせてもらう
家の中で飼われていた猫は外で迷子になっても比較的近所にいるようです。もしかしたら人慣れれしている猫ならご近所の猫ちゃんかも知れません。
保護した猫を飼う上で注意したいこと、考えておきたいこと
人慣れ、家慣れ
野良猫だった猫は、よほど子猫でない限りは少なからず怖い思いをした経験があります。仲良くなったと思っていても、心のどこかで警戒している場合もあります。仲良くなりたい気持ちはわかります。が、まずは「家の中」に慣れてもらうようにしましょう。
安心して生活できる場所だと理解すると人に慣れるのも早くなります。
感染症
すでに先住猫がいる場合。保護した猫に感染症があれば、あっという間に二次感染してしまいます。
皮膚病の中には人に感染する病気もあります。保管場所の準備同様、治療期間がある場合に隔離飼育できる場所も必要になります。
多頭飼い
先住猫との相性が悪く、ケンカばかりという状況も考慮する必要があります。
先住猫を優先してかわいがるなどのセオリーはあります。ところが、実際にそうしても先住の性格によってはうまくいかない時もあります。
流血沙汰のケンカにならない限りは、ある程度猫同士に任せる。お互いの関係を確立させるという方法もあります。
我が家の猫たちもです。しかし、よく見ればお互い文句言うだけ。噛んだりはしないので放置することにしました。1年経った現在、口喧嘩はするけど、同じ部屋で寝ています。
ずっと見てあげられないときには、隔離飼育も視野に入れておきましょう。
終生飼養と里親探し
保護するときは必死です。飼うときはもちろん最期まで責任もって飼うつもり。でも、実際に一緒に暮らし始めた後で飼えない状況になってしまうことも考えられます。
例えば、猫アレルギー、飼い主の病気や老い、転居、財力負担など。
どんな場合でも、保護した猫を外に戻すことは絶対にいけません。周囲に相談して里親探しに務めるようにします。くれぐれも簡単に投げ出すようなことはしないでください。
■野良猫をみつけたけど飼えない場合の対処法
厳しく言えば、野良猫の保護で「飼えない」という理由は絶対にあってはいけない。が、どうしても飼えない場合は、里親になってくれる人を探すことです。猫のお世話をお願いして正式に譲渡するまでが、保護主としての責任です
里親を探す方法は、以下のようなものがあります。
獣医師会のHPや動物病院に里親募集のチラシを貼らせてもらう
→そこに来る患者さんであること。病院が間に入るので相手に関して比較的安心。既にペットを飼っているので、いつ貰い手がみつかるかわからないことも。
保護団体に相談
→身勝手であることを責められる可能性はあります。覚悟してください。それでも事情をくんで、引き受けてもらえたら猫の終生については安心かもしれません。
ネットで募集
相手がイマイチどのような人かわからないので、若干の不安要素あり。過去に虐待事案もあり猫の終生もちょっと不安です。それでも人の目に触れる機会が多いので、貰い手がみつかる率はけっこう高いです。
良い人がみつかれば猫も安心ですね。
■野良猫に対する社会的な扱いについて
猫が好きな人たちにとってはなんとも愛くるしい猫。ですが、必ずしも万人から宝もののような大切な扱いをされているとは限りません。
それぞれの立場や意見を把握しておくことは、重要です。野良猫を保護するにあたって協力者の指標となります。
各自治体・保健所などの行政
野良猫は通称名であり、多くの自治体では「飼い主のいない猫」と呼ばれています。
飼い主のいない猫とは、脱走して迷子になったまま帰れなかったり、意図的に人間によって遺棄されたりして、そのまま外で暮らしている猫たちです。本来であれば「人間の元で飼養されるべき猫」のことをいいます。
猫は動物愛護の法律によりその存在を守られています。一方、各自治体では個体に関しての保護や捕獲などは行っていません。
野良猫の保護は、他人に任せず、自身で責任と覚悟を持って行う必要があります。
一般個人
当然ながら猫好きな人がいれば、そうでもない人、見るのも嫌いな人がいるのが現実。
猫嫌いは、単に動物に接したことがないことから来る抵抗感だけではありません。猫ブームやエサやりへの嫌悪感、フン害など、個人的対人問題から猫を嫌う人もいます。
世の中には動物虐待をする人もいます。それゆえに人と近いところで生きている野良猫は人為的な危険が多い動物といえます。
少なくとも猫の安全のためにも、他の人に迷惑を掛けないことが大切になります。
保護対象となる野良猫をみつけたら、早急な保護をする。もしくは、周囲の清掃を行い、近隣住民に猫に対する敵意を抱かせないように務める。このようなこともポイントです。
■まとめ
慣れている猫でも保護(捕獲)するのは、お互いに危険が伴います。
何度も失敗してしまうとどこかへ行ってしまい保護できなくなる可能性も考えられます。
せっかく助けてあげるのですから、安全な方法で手際よく捕獲したいものですね。
また、猫のストレスを考慮して躊躇するのはと失敗しやすくなる原因です。決行前にはよく自問自答して猫の安全を第一に考えて行うようにしましょう。
捕獲時のストレスはありますし、理解できます。私も『おおお~どうしよ、どうしよ』となったことがあります。しかし、そのストレスは猫も人も一時的なものです。猫も恐怖心でその場で死ぬことは滅多にありません。(捕獲機内で暴れてケガする子はいますが)
家に入れてしまえば、猫は死の危険からは一歩二歩遠ざかることができます。そこまではなんとか頑張ってあげてください。
応援しています。