野良猫を保護した直後の対応をまとめました。保護猫の経験が浅い方向けの記事になっています。
今回の内容は、うちに先住がいたときの経験です。既に猫を飼っていて、新たに猫を保護した方にも参考にしていただけるかと思います。
保護直後は健康状態を確認
野良猫を保護したら、まず見た目・様子をよく確認しましょう。捕獲前に何日も様子を見ていた猫なら、この項目は読み飛ばしてしまってもかまいません。
その前の段階、「野良猫の捕獲方法」を知りたい方はコチラを参考にしてください。
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捕まえた猫にケガや出血はない?
捕獲前の事故や猫同士のケンカなどにで、大きな傷や出血がある場合は、すぐに動物病院へ行きましょう。検査なども同時に行えるので、できるだけ早いうちが猫の負担も一度で済みます。
また、外観から見えなくても、ケガをしていることもあります。
・歩き方は正常ですか?
・足を引きずっていないか?
・バランスを崩していないか?
念のためチェックしておきましょう。
呼吸は正常?
激しい咳やくしゃみがあれば猫風邪に感染しているかもしれません。鼻水や目ヤニの状態をあわせて、病院へ行くタイミングを予定してください。先住猫さんがいる場合には、完全に隔離して接触させない事。保護猫に触れたものは食器や自分の手、服、スリッパなども逐一消毒する方が安全です。
人に慣れていない猫の場合は、捕獲の恐怖から呼吸が乱れる、口呼吸、発熱などが起きる可能性があります。安静にして緊張感が薄らげば元に戻りますが、「ヒートストローク(熱射病)」という自己発熱によるショックもおきかねません。動物病院へ相談するようにしてください。
緊急性が高いと判断した場合は、以降の準備を待たずに動物病院を受診しましょう。
保護猫と先住猫は隔離する
既に猫を飼っている方は、お互いの相性以前に、病気にも注意しなくてはいけません。感染症予防のため、必ず別室で飼育します。
【必要なもの】
・猫用ケージ
・清潔なブランケット
(爪がひっかからないものが良い)
・猫トイレと猫砂
・餌皿と水皿
・段ボール箱(隠れ家として)
気をつけるポイント4つ
・部屋は暖かくしておく
室温は冬場なら22~3℃程度、夏場は26~28℃前後にしておくと快適です。エアコンの設定温度ではなく、猫のいるケージ付近に温湿度計を置いてチェックしてください。ケージから出せない状態では、猫が自分の快適な場所へ移動できないため、熱中症や冷え過ぎに注意しましょう。
・静かな場所を選ぶ
保護された猫は緊張しているので、いろんな音が聞こえる家の中はストレスになります。できれば無音が良いのですが、家庭内では簡単ではないでしょう。そのため、できるだけ人が過ごす場所(リビングなど)から離れて静かにすごせる場所がおすすめです。
・逃げ出さないための対策
既に先住猫がいる家庭なら脱走防止策はとれていると思いますが、はじめて飼う家庭や「うちの猫は外にまったく興味がないから何もしてません」というおうちでは、念のため、窓や玄関ドアなど脱走防止対策をするようにしてください。見た目は悪くなりますが、100均で購入できるワイヤーネットや防鳥ネットなどを駆使して、外に飛び出さないようにしてください。
・部屋のレイアウト
部屋に隔離する場合、トイレの場所と寝床、食事の場所はそれぞれ離すように設置しておきましょう。また、部屋の出入り口は誰が来るかわからない保護猫にとって警戒しやすいポイントになります。保護直後は、環境に慣れるまでトイレも我慢してしまう可能性があるので、できるだけ人の動線と離れた場所で過ごせるようにしておきましょう。
ケージはどうしてもスペースが限られてしまうので、食事はその都度与え、食べ終わったら食器を片づけるようにしましょう。
食事と水分の与え方
保護直後は、緊張や体調不良からしばらく食欲がない場合もあります。焦らず対応しましょう。
・最初は少量のドライフードを
置き餌にしても大丈夫です。ケージ内では、ひっくり返さない場所に置きましょう。これまで外で食べていたものがあれば、同じものを与えます。食欲がない場合は缶詰やささみなど、食べやすいものを試すのもよいですが、置きっぱなしにすると傷みやすいため、30分くらいで下げるようにしましょう。
・水も新鮮なものを常時用意しておく
警戒しているときには、お水はあまり飲みたがらないかもしれませんが、必ず置いておきましょう。冬は冷たくなりすぎたり、夏は腐敗しやすくなるため、一日に何度か交換してあげてください。こちらもケージ内でひっくり返してしまうと大変です。ケージの側面に設置できるウォーターサーバーなどでもいいかもしれません。
・24時間以上食べない場合は要注意
捕獲した猫が緊張から、丸々1日食べないこともはよくあることです。ただし、猫は絶食が続くと肝臓を壊してしまうため、24時間食べない時には動物病院で診てもらってください。重度の脱水や衰弱、排便なども踏まえて病院へ連れて行きましょう。元気であれば、食べやすく消化の良いものを与えます。ちゅーるや人肌に温めたスープは飲みやすいのでおすすめです。
さいごに:これからの対応
保護猫が落ち着いて準備ができたら、以下の対応を計画的に進めましょう。
1.動物病院での健康診断予約
感染症検査、ワクチン接種の相談、避妊去勢時期の検討
2.所有者探し
近隣へのポスター掲示、SNSでの情報発信、警察と保健所への連絡
※一見、野良猫に見えても所有者がいるかもしれません。忘れずに行いましょう。
3.今後の方針を決める
一時預かり(里親を探す)か、永続的な飼育か?
他にもやることはたくさんありますが、保護直後にここまでできれば十分です。これから少しずつ進めていきましょう。もし、迷ったときは、動物病院や猫保護団体に相談しましょう。経験豊富な人からのアドバイスが役に立つかもしれません。